変形性股関節症と体重
今日は最初に残念なお知らせがあります。
松本深圧院福岡は、諸般の事情により2018年1月末日をもちまして閉院させていただくことになりました。
こちら ⇒ 閉院のお知らせ
昨年の4月に常設店舗としての営業を開始した福岡。
この約1年半ほどの間、九州及び周辺地域よりご来院いただきました皆様へ心より感謝申し上げます。
常設店舗としての営業は終了致しますが、出張施術サービスは継続致します。
尚、現在中村先生による施術をお受けいただいている皆さまには、2018年2月以降も中村先生個人による施術サービスを受け続けることができますので、こちらにつきましては個別にお問合せ・ご相談ください。
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いつの日か、再び九州の地に常設店舗を開設できることを願いつつ、これまでご愛顧いただきましたことに重ねて御礼申し上げます。
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変形性股関節症患者は体重を減らさないといけないのか?
「体重を減らしなさい」
「体重を増やさないように気をつけなさい」
変形性股関節症患者に対し、こんなアドバイスをする医師も少なくないようです。
わたしも手術前、手術後によく言われていました。
ちなみに、母などは当時のわたしの担当医のそういう言葉がいまだに強く残っているせいか、(太っていようがいまいが)いつ会っても必ず「足に悪いんだから、もっとやせなさい」と言ってきます・・・(苦笑
医師としては、少しでも股関節にかかる重量を減らした方が骨・関節や軟骨への負担を軽減できるという思いより、そのようにアドバイスしているのだと思います。
ですが、その根底には、軟骨が「すり減る」と本気で信じていることがあり、軟骨を「すり減らさない」(軟骨に負荷をかけない)ためにも減量しなさいとアドバイスしているのが実情だと思います。
医師の言葉には専門家バイアスがかかっていますので、そういう間違った情報をそのまま鵜呑みにしてしまうと、逆に自らの生活を苦しめることにもなりますので注意が必要です。
わたしが深圧施術を初めて受けた頃に、松本総院長に体重のことを問うてみたことがあります。
「とにもかくにも体重は減らした方がよいのでしょうか?」
それに対する返答としては、その人の筋力にもよるので一概に減らせば良いというものではない、というものでした。
要は、自分の体重を支えられるだけの筋力があるのであれば、無理をして体重減をする必要はない、ということです。
わたしは小さい頃から運動が大好きで、野球、サッカーなどをしていましたし、短距離走も長距離走も得意な方でした。
ですので、下半身の筋力は昔からかなりある方でした。
股関節の手術(臼蓋回転骨切り術)後、ほぼゼロになった患足の筋力は、その後のハードなリハビリ・筋トレによって2~3年程でかなり回復しました。
健足と全く同じまでには回復していませんでしたが、それでも、ランニングをしたり、テニスをしたり、スノーボードができる程までに回復したのですから、我ながらよく頑張ったものです(笑)
「(手術をした後も)嗜む程度なら十分スポーツもできるようになる」 という医師の言葉を信じていたので、自分としてはほぼ術前の状態に戻したい、いや、なるはずだ!という強い思い込みがあったので、やたらとハードなトレーニングをしていました。
「絶対に元の状態に戻してやる!」と相当に気合が入っていましたね。。。
余談ですが、わたしが入院していた病院に、同じ変形性股関節症患で警察官の男性が入院していたのですが、まあその人の筋トレのすごいことすごいこと。
警察官ということもあって体育会系で、身体を鍛えるのも好きなようだったのですが、それにしても汗水垂らしてものすごいハードにトレーニングしてました。
それも、痛みがあるのに無理してやっていましたね。
退院後、何年かして病院でその方にお会いしまいたが、調子は良くないようで、杖も使っていましたし、もうバックオフィス(事務)の仕事しかできないと嘆いていたのを思い出します。
当時は特にリハビリと言えば「筋トレ」でしたので、そういうことも患者たちを(ちょっと大袈裟ですが)“際限なき筋トレの世界”へ後押ししたのでした。
わたしもそれにおもいっきり後押しされた一人であり、「リハビリ=筋トレ」という思考に取りつかれていたので、多少痛みがあっても無理して欠かさずにやっていました。
結果的には、筋トレをし過ぎたこと、ハードに動き回り過ぎたこともたたったようであり、この無理し過ぎがその後の深刻な悪化を招いたようにも思います。
話しが逸れましたが、わたし自身、筋力そのものはそれなりにあったところで、 体重は手術後もほとんど変わらずに推移していましたので、それほどナーバスになることはありませんでした。
ですが、概して、体重のことをかなり気にかけている患者さんは少なくないようです。
誰しも健康な身体を維持したいですし、そのために食事の質や量を気にかけることもあるでしょう。
確かに、体幹を支えている重要な股関節に余計な負担をかけないようにするという観点からは、体重に注意することは真っ当なことだと思います。
ただし、もし変形性股関節症患者に対して体重管理のアドバイスをするのであれば、まずはその人の筋力状態、筋力の強さや筋肉自体の質を確かめてからでもよいのではないでしょうか。
結局のところ、同患者への対応の一つとして、ステレオタイプ化された「一般常識」を誰に対しても当てはめているだけであることが問題なのだと思います。
尚、わたし自身の直接的・間接的体験に基づいていますので、全ての病院・医師がそうであると言っているわけではありません。
変股症といっても、症状、痛みの質などなど、人によって千差万別です。
だからこそ、体重管理一つとっても、人によって気にかけるレベルも異なるはずです。
いかに専門家バイアスから自由になれるか?
その一方で、自分の身体の状態をどれだけ客観的に把握できるようになるか?
専門家のアドバイスを聞く、受け入れる、試す、変えてみる。
いろいろを試行錯誤をしながら、自分なりの管理方法を整えていけるようにしたいものです。
最終的には「自分の身体は自分で守る」
わたしたち松本深圧院も、もちろん専門家としてアドバイスをしていますが、一方的に決めつけたり、押しつけるのではなく、患者さんが自分自身の身体とよりよく付き合っていけるようにアドバイスをする、それぞれのQOL(生活の質)に合わせた人生が送れるようにサポートをする。
それがわたしたちの施術における基本スタンスでもあります。
2017年12月17日
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