アフター変形性股関節症
股関節痛・変形性股関節症の克服には筋力アップが欠かせないと言われています。
痛みがあるにもかかわらず「とにかく筋トレをしなさい」と(医師より)言われた経験のある方も少なくないと思います。
このアドバイスは論外と言わざるを得ませんが、いずれにしても、状態が良くなる過程において筋力は自然と回復していくものです。
※筋力が増強されるというより、元々あった筋力が出せるようになる(正常なアウトプットができるようになる)と言った方がよいかもしれません。
そして、最終的にどのレベルまでの回復を目指すのか、その到達レベルはその人自身が求めるQOL=Quality of Life(生活の質)にもよると思います。
基本的に在宅生活中心で買い物などへ外出する程度に動ければOKという方もいれば、仕事にも毎日通うし、毎日最低5,000歩以上は問題なく歩けるようになりたいという方、旅行に行ったり運動もしたいという方などなど、様々な目標があると思います。
よって、どんなリハビリ、トレーニングを行うかは人によって異なりますので、他の人の真似をする必要はありません。
どんな生活を送るにしても、自分がどうしたいのか、自分にとってどうなのかという物差しを常にもって判断することが大切です。
わたし自身そうだったのですが、痛みが発症する前はほぼ健常者の状態にあって生活をしていた人にとっては、どうしても悪化以前の“元の状態に戻る”ことを目指してしまいがちです。
変形性股関節症になり、骨の変形(=修復)が一時的に進んだ結果、骨や関節自体は元通りになることはありません。
痛みが取れて、筋力が回復していったとしても、以前の状態に100%戻れるわけではありません。
回復途上で、わたしが目指していたところは、変股症発症前の状態に戻ること。
戻れるはず・・・と思い込んでいました。
ところが、実際には完全に戻ることはありませんでした。
痛みもほぼなく、仕事においても私生活においてもほぼ好きなように動くことができるようになった今でも、発症以前の状態に戻っているかといえばそんなことはありません。
わたしの場合は、(手術によって)脚長差がかなり出てしまったこともあり、そもそもそれによって完全に生活の質が変わってしまいました。
それでも、紆余曲折ありながら、かなり時間はかかりましたが、いろいろなケアを続けてきたことで日々の痛みから脱却し、変形性股関節症からは回復したと思っています。
そんな回復過程において、あるときから、元通りになる(なりたい)という思考から脱していきました。
- また新たな身体・股関節・筋力を身につけていけばいいんだ
- 自分は臼蓋回転骨切り術も受けたことで文字通り筋力がゼロになった状態からいまここまできたのだからこそ、これからの自分の生活にとって必要なレベルを目指していけばいいんだ
と思えるようになりました。
以前の健常者のような状態に戻ることを期待していた頃は、股関節の筋力・持久力がなかなか戻らない、曲がり度合いが良くならない状態に焦ってイライラすることが多々ありました。
その思考から脱して、(手術をして)一度ゼロになった筋力が回復して新しい脚(股関節)が育っているのだと思えるようになってからは、日々の小さな成長が嬉しく感じられるようになっていきました。
自分の股関節は新しく生まれ変わり、日々また成長していっているのだから温かい目で見守ってあげよう!
言ってみればそんな心持ちです。
- 今日は昨日よりも歩けた!
- 昨日はたくさん歩いたけれど今朝は痛みがない!
- 休憩をしながら1万歩以上歩けた!
- ディズニーランドで家族と一緒に(脱落せずに)一日中歩き回れた!
などなど。
日々の成長、回復度合いを達成感として感じられるようになり、それが喜びとなっていきました。
成長とは、昨日までできなかったことができるようになること
日々そんな大そうな進歩はいりません。
そのスピード、やり方も人によって様々です。
自分にあったQOL=Quality of Life(生活の質)を目指し、亀の歩みでもいいので、ちょっとずつそれに向かって前向き思考で歩む。
元通りを目指すのではなく、いま現在から少しでも成長していくことを望む。
そんな気持ちでいると、きっと焦らず自分のペースで日々の成長を感じることができるようになると思います!
2022年10月9日
金木犀のいい香り!
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