手術前に股関節周辺の筋肉をほぐす!
このブログでも度々書いていますが、わたしの身体は非常に“硬い”です。
一般的には、男性よりも女性の方が筋肉の柔軟性が高いと言われています。
「生まれつきの体質」も大きいのでは?と思いますが、この点についてちょっと調べてみると・・・
たしかに骨の形状や関節の構造といった遺伝的要因で可動域の狭い人はいるが、柔軟性をつくる要素はそれだけでなく、運動経験やケガの有無、生活習慣などでも差がつくそうです。
例として、小さい頃からバレエをやっている人は、「股関節の柔軟性が生涯高くなる傾向」にあり、運動習慣のない人は「関節の柔軟性が低下する傾向」にあるようなのですが、わたしは変股症が発症するまでは野球、サッカー、ラグビーなどのハードな運動をしていたにもかかわらず、あまり柔軟性は上がらなかったようです・・・
さて、そんな自分の身体の硬さをいやというほど痛感したときがありました。
それは、20歳のときに手術(臼蓋回転骨切り術)を受けた際、術後のリハビリでした。
入院中、担当のPT(理学療法士)さんが、手術後の股関節の機能を良くしていくために、股関節を動かしながら曲がり具合を日々確認していきます。
マットの上に仰向けになって股関節を上体側に曲げ(反対側の足は延ばしたまま)、そこにPTさんが身体をのせてグイグイと押してくるのですが、なかなか曲がらないし、痛いったらありゃしません。
筋肉も硬いのでしょうが、靭帯・腱も硬いようで・・・
その後、ストレッチはずっと続けてきましたし、長年の深圧によって筋肉はかなりほぐされてきましたので、筋肉自体の柔らかさ、質は昔に比べれば相当良くなっているはずですが、関節の曲がり具合はあまり改善されず・・・
思えば、うちの家系は親も兄姉もみな身体が硬かったようであり、やはり遺伝もあるかもしれませんね。
ですが、身体が柔らかいに越したことはありません。
わたしが手術を受けたとき、ダンスやエアロビクスをやっていて身体がとても柔らかい女性が同時期に入院していました。
両足とも手術を受けていましたが、片側のみのわたしよりも回復度合が断然早い。
こちらが車イスを卒業してようやく杖で歩けるようになった頃、彼女はほぼ杖無しでも歩けるようになっていました。
また、歩き方がとてもキレイ。
身体が柔らかいことも一助になっているであろうことは理解できましたが、彼女はとても入念かつ丁寧にストレッチをしていましたので、その差も大きいのかな・・・などと感じていました。
当時は、医師の説明通り、「骨主体」でしかこの病気のことを視ていませんでしたし、痛みの原因も骨や軟骨にあるとすっかり誤解していました。
さらには、痛みの原因としての筋肉や、筋肉の質についても何の知識もありませんでしたので、とにかく「筋トレ」して筋力さえつければ全て解決すると思い込んでいました。
その観点からすると、筋トレだけはハードに取り組んでいた自分としては、なぜ彼女に比べてこんなに回復度合が遅いのだろうか?という疑問はもっていましたが、いま思い返すと、彼女の筋肉は柔らかいだけでなく、その質も相当に良かったのだろうと思います。
質が良いとは、筋肉がいわば“緩衝材”の機能をしっかりとはたしており、強い力を出せる状態にあるということだと言えます。
当院には、手術を受けることを決めた方でも深圧を受けに来院される方が少なくありません。
それは、手術を受ける前に股関節周辺の筋肉を可能な限りほぐしておく(柔らかくしておく)ことによって、術後の回復の早期化が期待できるからです。
ということで、手術をするという決断をされる方にとっても、深圧はお役に立てるのです。
何にせよ、身体が柔らかいに越したことはありませんね。
古今東西、「剛」(かたいこと)より「柔」(やわらかさ)に重きをなすことわざが数多くあります。
「柔よく剛を制す」
「柳に雪折れなし」
(その反対として)
「堅い木は折れる」
などなど。
「柳に雪折れなし」とは、柳の枝はしなやかで雪が降ってもおれるようなことはないことから、柔軟なものは堅いものよりもかえって試練に耐えることができる、という意です。
余談ですが、あらためて、「剛」一辺倒や極端であること、また偏りや(一方的な)思い込みといったことが悪弊をもたらしやすいことがわかります。
頭も身体も柔軟であれば、考え方にも、行動においても、遊び=余裕が生まれます。
「かくありたい」ものです。
2024年3月24日
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