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“A rolling stone gathers no moss” (転石苔を生ぜず)

 

新型コロナウィルスに対する世界の国々の取扱いをみていて思い出したことわざを一つ。

 

A rolling stone gathers no moss.

 

(日本語訳) 転石苔を生ぜず

 

このことわざは、イギリスでうまれたものとのことですが、仕事を頻繁にかえたり、引越をしてばかりではお金がたまらない、という意味です。

 

安定を大事にしたイギリス人の考え方をあらわしていると言われますが、日本語に訳すと「転石苔を生ぜず」であり、「石の上にも三年」に近いです。

 

このことわざの面白いところは、同じ英語圏の国であるアメリカでは全く逆の解釈をされているということ。

 

アメリカ人にとっては、苔はカビやサビと同じように感心できないものに思われて、そんなものはつかないほうがいいと考えたようです。

 

そして、ことわざとして、「動いていれば、苔などつかずに新鮮である」とひっくりかえったしまったのです。

 

当初の意味からすると、これは誤った解釈ということになりますが、それが誤りではすまなくなり、このアメリカ流の解釈・意味をあげている日本の英和辞書もあったようです。

 

※上記は「英語ことわざ集」(外山滋比古・岩波ジュニア新書))を出元としています。

 

イギリスのロックバンド、Rolling Stonesは“風来坊”を自称していますが、アメリカ風解釈でいうと“活動家”になる、という著者の余談は大変面白いものです。

 

わたしは最初に就職した会社に10年間就業した後は、仕事を何度も変えてきたし、いろいろなことをしてきましたので、アメリカ流の解釈の方が自分にとっては都合がいいですね(笑)

 

わたしはことわざに精通しているわけではありませんが、(上記本などを通じて)受験勉強のときに学んだことわざが今でも記憶に残っており、ときに顔を出すことがあります。

 

ことわざを通じて国民性を知る。

 

単なる一例に過ぎませんが、この“A rolling stone gathers no moss.”ということわざの由来を知っていることによって、国によって新型コロナウィルスに対する取扱いが異なることを読み取る一つの視点にもなりました。

 

これは自分なりの解釈に過ぎませんが・・・

 

新型コロナウィルスが弱毒化していった結果、アメリカなどの欧米諸国やその他多くの国々でもそれまでの同ウィルスに対する扱いをコロッと変えて、アフターコロナ社会へあっという間に姿を変えています。

 

一時はワクチンを接種しなければ学校にも通えなかったのに、海外からの入国規制すらまったくなしにコロッと変わった国もあります。

 

あれだけワクチンを推奨していたのに、いまやその弊害(副反応)の方を問題視している国も少なくありません。

 

コロナウィルス自体が変化していったことを受けて、それに対する扱いをサッと変える国。

 

“A rolling stone gathers no moss.”ということわざ発祥の地で、その解釈が日本と同様であったイギリスも、いまやアメリカ流の考え方に変わってしまったのかもしれませんね。

 

ひるがえって、わが日本は、コロナウィルスの取扱いやマスク着用方針など、一度あることが決まると(社会がその流れに乗ってしまうと)それに固執してなかなか変えることができません。

 

他の国の変わり身の早さ、なかなか変わることができない日本を見るにつけ、このことわざを思い出し、あらためてことわざの面白さを感じた次第です。

 

 

2023年2月26日

 

横須賀港の夕景

 

 

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