諸行無常
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さて、今回は小休止として、ちょっと立ち止まって「諸行無常」を切り口とした個人的なエッセーです。
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ゆく河の流れは絶えずして、
しかも、
もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、
かつ消え、
かつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある、
人とすみかと、またかくのごとし。
『方丈記』(鴨長明)のこの冒頭句、学校で暗記させられて覚えている方も少なくないのではないでしょうか。
どんなことであれ、「変化」を実感すると必ずといっていいほどわたしの頭に浮かんでくるのが、この名文句、とくに最初の一行、
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず
です。
諸行無常
存在するすべてのものは一つとして同じ状態でいることはなく、自然も人事も万物は必ず変化し、流転していく。
無常、つまり常なるものなしがこの世の宿命である。
いまは実感として(当然の理として)受け入れられますが、若いころに「方丈記」を読んだときにはわかるようでわからない、だけど何かものすごい強烈なメッセージ性を感じたことを覚えています。
ちなみに、「諸行無常」というと、その冒頭に引用されている「平家物語」を思いかべる方が多いかもしれませんが、わたしにとっては「方丈記」です。
わたしが幼少期の頃から、時代、社会は大きく変わりました。
とりわけ、アナログ社会からデジタル社会への変化は、わたしたちの生活を一変させました。
一方で、自分自身を振り返ると、性格や人間性の根本は変わっていませんが、身体の外見はもちろん、内面性、世間の事象やヒトに対する感じ方・視方も変わっています。
ガラッと変わるというより、少しずつ、自分が意識しないところで生じた変化が、あるとき「ハッと」気づく変化として感じられることがあります。
もともと自分は保守的、消極的な性格だった(と少なくとも思い込んできた)せいか、どちらかといえば変化に対しては嫌悪感を示す方です。
小さなビジネスとはいえ、若かりし頃は自分が経営者になるなんて夢にも思っていませんでした。
ですが、いま振り返ってみると、節目節目では、周囲が驚くような行動をし(その分迷惑もかけてきましたが・・・)、自ら変化を起こしてきたのですから面白いものです。
その結果として、いまのこの仕事に行きつくわけですが、自分が嫌だと思ったことは受け入れられない、やりたいことをやる!というスタンスを貫き通してきた結果、いまここにたどり着きました。
「信念」を貫き通すなんていうとカッコいいですが、「信念」なんて言葉を多少なりとも口に出せるようになったのは最近で、要はその時々で自分が思う道を突き進んできただけです。
若気の至り?で失敗することも多々ありましたが、それがあったからこそ、いまここにたどり着いたのですから、全てが必然だったのだと思います。
そんな「変化」を経てたどり着いたいまの自分。
変わったこともあれば、変わらぬこともあります。
相変わらずのカベに悩まされていることもあります。
単に自信がないからといってしまえばそれまでですが、自分自身に対する周囲の評価と己の評価とのギャップに苛まされてもきました。
ですが、以前は単に弱みとしがちであった自分の人間性が、自分らしくあるためには譲れない大切な価値観として認識できるようになるにつれ、生き方がブレなくなってきたようにも感じています。
この世は否応なく変わっていきますが、ひとりの人間として変化の流れに身をゆだねつつも、自分の価値観を大切にして生きていきたいですね。
深圧®にしても、表面的は変わらないように見えて内実は「変化」しています。
それは、(施術サービスを通じた)日々の学びや気づき、経験として学習されたことが不断に反映されていくからであり、ずっと変わらぬままで在り続けることはありません。
進化しているのです。
深圧に内在的な成長欲求がある限り、これからも(微小ながらも)変化し続けていくでしょう。
・・・
「方丈記」の世界観に立つと、変化の機会に敏感になります。
一方で、穏やかに現実を受け入れ、柔軟になることができます。
最近の身近な生活環境や仕事における変化のみならず、日本を取り巻く環境の変化を強く感じるようになるにつれ、「方丈記」を思い出していました。
「方丈記」は、鴨長明の生きた過酷な時代背景が如実に反映されているせいか、ややもすると消極的な無常観にいろどられているかのようですが、既成観念にとらわれず、物事を根本の原理から自分の目で見、考えることの大切さを説いているものでもあります。
その意味では、とてもポジティブな無常観、人生観として受け止めています。
大きな時代の変化の流れの中で、いま松本深圧院に使命が与えられていることに感謝しつつ、その使命を全うしながら変わることを恐れずに歩んでいきたいと思っています。
2019年7月28日
西丹沢の清流
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