変形性股関節症と無気力(その2)「痛み」
先週からの続きです。
先週のブログはこちら ☞ 変形性股関節症と無気力(その2)「不治の病」
もう一つの無気力体験。
「痛み」
30代前半の頃、通勤負担苦が原因で転職をしたのですが、それまでの仕事に対する意欲・向上心がキレてしまい、半ば無気力状態に陥っていた時期がありました。
自分はもう仕事で高みを目指す(やりがいを求める)ことは無理だ、身体(股関節)に負担をかけないように何とか安定して仕事ができさえすればいいんだという思いにとらわれてしまったことが原因でした。
更に突き詰めると、深圧によって最悪の状態を脱した後も、仕事生活でも私事生活でも不都合を感じることが少なくなかったため、また調子の波も激しかったこともあって、バリバリ仕事するのは「もう無理かもしれない」という感情を頻繁に抱いていたため、コントロール不能な心理状態に陥ることが少なくありませんでした。
結果的に、その状態が無気力を助長していったようなのですが、元をたどればその根本原因は「痛み」です。
「痛み」はヒトを無気力にさせます。
慢性の痛みを抱えると、それに乗じて無気力感も大きくなっていき、そのヒトの思考・行動を大きく制約してしまいます。
股関節は人間の身体にとって要所の一つです。
痛みがあるとちょっと動くことも億劫になるし、酷いときは立ち上がるのも苦労するのでトイレに行くことすら苦痛になってしまいます。
よって、いま「痛み」を抱えているヒトにとって、外出することはとても勇気と気力のいることであろうと思います。
ましてや、病院で診察を受けても、リハビリや筋トレをしても、はたまた手術をしても改善しない状態にある方は、コントロール不能による無能感・無気力が助長されてしまう可能性が大きくなってしまいます。
そうなると、痛みを避けるには動かないことしかないという思いにとらわれたり、自分は動けない(不能)、動いてはいけないという思いにとらわれがちになってしまいます。
当院の患者さんの中に、家にずっとこもりっきりだったが家族の協力によって来院いただき、痛みがとれて行動できるようになった方がいます。
無気力、コントロール不能状態から脱し、自ら動けるようになったのです。
わたしの場合、初めて深圧を受けたときには、当時の住まいから施術場所まで片道2時間以上かかりました。
松本総院長は当時、埼玉県のふじみ野というところで施術をしていましたので、最初の頃は通うのも一苦労、どころか大苦労・・・
無気力感が顔を出し、行くのが面倒で嫌だと思うこともありました。
ですが、「必ず良くなる」という松本総院長の言葉を納得のいく説明やその症例から信じることができたので“気力”で何とか通い続けることができました。
もしこのとき通院をあきらめていたら・・・と思うと恐ろしくなります。
克服できたのは、信頼感、信じる力であったと思います。
そして、結果が伴ってくると、楽観的な心持ちが生じてくるのです。
もちろん、長く無気力状態(コントロール不能感)に在ると、そこから脱することは容易ではないでしょう。
長年の無力感のせいで、例えば深圧のことを知ったところで、どうせだめに決まってるとか、そもそも動く気力がなくて行きたい気持ちにもなれないという方もいると思います。
そんな方には、一歩でも行動をすることによって、小さな「快感」を経験をしてもらうことが一番です。
脳科学の分野では、「行動が思考をつくる」という研究報告があります。
簡単な例でいうと、楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる。
ただし、なかなかその一歩が踏み出せなくて困っている方にとっては、家族など周囲で寄り添う方々のサポートが必要です。
一歩を踏み出すことにより、「大変だったけど、行動してみてよかった」という感覚を抱ければしめたもの。
その感覚を少しずつでも助長させていけば、楽観的な気持ちが徐々に生じ始め、きっと自分の身体(股関節)に対する無力感から脱することができるはずです。
痛みを取り、動けるようになってもらうこと。
それが、
痛みを取り除き、安心と希望を与える
- 患者一人ひとりが求めるQOL(生活の質)実現に寄与します
- 股関節に関する啓蒙を通じて心身の治癒に尽力します
という当院のミッションにつながります。
「どうせダメ(良くならない)に決まっている」
そんなコントロール不能感、無力感に陥っている方。
少しばかりの勇気をもって、一歩踏み出して当院へお越しください。
きっと、その行動が思考を変えることになるでしょうし、わたしたちはそのために全力でサポートしていきます。
2018年10月21日
観音崎
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